有機化学の院試対策におすすめの教科書&問題集を難易度別に紹介!
化学や薬学専攻の学生にとって、有機化学の院試対策はマストですよね。しかし、有機化学の教科書や問題集ってたくさんあるので
院試勉強始めようと思うけど、まず何から勉強すれば分からない
適当に有名な参考書を選んだら、難しすぎて挫折した
という人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな人に向けて、有機化学の院試対策におすすめな教科書・問題集を、難易度別に分けてご紹介します!
🕐2020年4月27日
目次
【難易度別】院試・有機化学のおすすめ教科書
有機化学の教科書ってほんとに色んなものがありますよね。そこでまずは、院試対策におすすめな教科書を、難易度別にご紹介します!
【初級者向け】マクマリー有機化学
有機化学の知識がまだそれほど定着していない初級者におすすめ教科書は、マクマリー有機化学シリーズです。
内容が簡単で読みやすく、カラーイラストなどもあって理解しやすい構成になっているので初級者にとてもおすすめです。上・中・下3冊しっかり読み込めば、有機化学の基本的な部分を網羅することができます。
MARCHや地方国立レベルの大学院なら、マクマリーの内容をしっかり頭に入れれば十分対応できます。
9版まで改訂版が出るほどの良書で、研究につまづいた時や反応メカニズムを思い出せない時などに辞書として使えるので、有機化学を大学院で本格的に学ぶなら一式手元に置いておくことをおススメします。
他にも、ソロモン有機化学やモリソン・ボイド有機化学など初級者向けの教科書もあります。しかし、こうした教科書は古いので最新情報が載っていないので、図書館などで目を通すくらいで良いと思います。
【中級者向け】ジョーンズ有機化学
旧帝大の大学院を受けるなら、マクマリーで基本を押さえたあとにジョーンズ有機化学をやるのがおススメです。
ジョーンズの良いところは、解説がしつこいくらい丁寧なところ。マクマリーよりも内容は専門的で難易度は上がりますが、どの章でも解説がものすごく丁寧に書かれています。
「もうそれは分かったって!」と思わず言ってしまうほど、繰り返し解説してくれるので、嫌でも頭に入ってきます。
また、「化学は実際に自分で反応式を書き、練習を重ねることで上達する」という著者の思いが本文のいたるところに書かれており、練習問題の量もかなり多いです。
章末問題も量と質どちらも非常に高く、ジョーンズをやるなら合わせて解答集もセットで買うことを強くおすすめします。でないとジョーンズで勉強する意味が半減します。
ジョーンズの内容をマスターする頃には、有機化学についてかなり語れるレベルになれる事を保証します。
【上級者向け】ウォーレン有機化学
東大・京大の有機化学の研究室を狙っているなら、ジョーンズではまだ足りません。有機化学の教科書の中で恐らく一番難しい「ウォーレン有機化学」をやる必要があります。
ウォーレンの特徴としては、他の有機化学の教科書には載っていないような、マイナーな反応式まで全て網羅されている点。また、分子軌道論による反応式の解釈や、クロスカップリング反応、触媒サイクルなど専門的でかなりマニアックな部分まで解説されています。
有機化学の全てが詰まっているので、問題集などで知らない反応式が出てきたとしても、ウォーレンを見れば大抵解決します。
かなり上級者向けの教科書で、いきなりウォーレンに手を出してしまうと心が粉砕されるので、ジョーンズレベルがしっかり頭に入った状態でウォーレンに移ることをオススメします。
【難易度別】院試・有機化学のおすすめ問題集
有機化学はとにかく自分で反応式を書いて、練習することがとても大事。
しかし、使う問題集を間違えると「全然スキルアップしない」もしくは「全然問題が解けない」ということになりかねません。
そこで、難易度別に適切な問題集を2冊ずつご紹介します!
MARCH・地方国立レベルの問題集
大学院の有機化学でまずやって欲しいのは、サイエンス社の「演習 有機化学」。
化合物のIUPAC命名法や、フィッシャー投影式、ニューマン投影式、シストランス異性体といった有機化学の基本的な問題がたくさんのっているので、基礎固めをするのに最適な問題集です。
ただし、有機化学反応の詳細な電子経路などは解説されていないので、前の章で紹介した教科書など使って調べる必要があります。調べた反応式は、問題集の空いている部分にメモしておくと、2周目以降に見返せるのでおススメです。
サイエンス社の「演習 有機化学」を3周くらいして解答を暗記するころになったら、三共出版の「基礎有機化学演習」を次にやるのがおすすめです。
「演習 有機化学」よりも難易度は高いですが、解説が丁寧で本自体も薄いので、とても勉強しやすい問題集です。
MARCH・地方国立大レベルの大学院なら、この2冊を完璧に仕上げておけば、間違いないと思います。
旧帝大レベル(東大・京大を除く)の問題集
旧帝大レベルだと、前述2冊の問題集ではカバーしきれないので、「演習で学ぶ有機反応機構 大学院入試から最先端まで」をやる事をおすすめします。
この問題集は全て問題と解説で構成されており、前述2冊では出てこないような反応メカニズムまでしっかり出題されているので、反応式を頭に叩き込むのに最適です。
東大・京大以外の旧帝大だと、この1冊を完璧にするのはややオーバーワーク感があるので、過去問の難易度と見比べて、どこまでやり込めばいいか見極める必要があるかもしれません。
また、このレベルの問題集を解くにあたって、化学反応式がコンパクトにまとまって解説されている「知っておきたい有機反応100」を手元において置くことをおススメします。
教科書を見て反応式を確認するのもいいですが、分厚くて重く、解説を探すのに時間がかかってしまいます。
「知っておきたい有機反応100」なら、素早く目的の反応を探せて持ち運びも楽なので、勉強の効率化に非常に有効な一冊です。
東大・京大レベルの問題集
東大・京大院試レベルの問題を解くなら、三共出版「有機化学演習」をやり込めば十分対応できます。
この問題集を3周もすれば、院試で出題される問題はぼほ解けるようになります。
東大・京大の問題も8割近くは普通に解けるようになると思います。たとえ初見の問題でも、自分で反応過程を考えられるレベルまでになれます。
このレベルだとかなり難易度が高いので、ウォーレン有機化学を手元に置いておきながら、問題を解くようにすると良いでしょう。
もし、有機化学を極めたいというならば、最後に「有機化学演習 大学院入試問題を中心に」シリーズをやるのがおススメです。
院試対策としては確実にオーバーワークなので、下手に手を出すと心がボキボキに折れます。
特に「有機化学演習Ⅱ」は鬼難しいので、院試が無事に終わった後に、腕試しとして挑戦するくらいの気持ちでやった方がいいと思います。
まとめ
今回は難易度別におすすめの教科書・問題集をご紹介しました。
有機化学は難易度を間違えると、悲惨なことになりかねないので、自分のレベルに合った適切な教科書・問題集を選ぶよう心がけましょう。
有機化学は反応式を実際に書くことが大事なので、しっかり手を動かして練習して、志望校合格目指してがんばりましょう!
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