激務系ブラック研究室での理不尽生活を元バイオ系院生がセキララ告白!
昔々あるところに、激務系ブラック研究室で日付が変わるまで不毛な実験をしているバイオ系大学院生がおりました。
そう、わたくしでございます。(白目)
筆者は修士で研究室を変えたのですが、変更先がいわゆるブラック研究室で、毎日毎日教授様にご奉仕仕る生活を送っておりました。
今回は、筆者が激務系ブラック研究室にいた時のエピソードを共有したいと思います。
🕐2020年4月23日
目次
激務系ブラック研究室とは?
激務系ブラック研究室とは、放置系ブラック研究室と対をなす代表的なブラック研究室の形態です。
放置系ブラックでは、学生が放置状態にされるのに対し、激務系ブラックは文字通り、馬車馬のように学生を働かせるブラック研究室です。
夜中まで研究室に電気の明かりがついているので「不夜城」と呼ばれることもあります。
激務系ブラックはバイオ系もしくは化学系などの実験系研究室で見られることが多く、実験がキツ過ぎて精神を病み、行方不明になる人もしばしば見受けられます。
筆者が在籍していた研究室は、生物専攻の中でも有名なブラック研究室で(入るまで知らなかった)、ブラックポイントとしては
・1日平均12時間勤務
・土曜、祝日は当然出勤
・同期は配属2か月でドロップアウト
・准教授が教授とモメて研究室に来なくなる
・後輩・留学生も次々と研究室変更、退学する
・教授がパワハラで専攻長などから毎年注意・指導される
という、典型的なブラック研究室でした。
次の章からは、そんな激務ブラック研究室での理不尽エピソードをご紹介したいと思います。
激務系ブラック研究室での理不尽エピソード集
1.地獄の個人ミーティング
筆者のいた研究室では毎週「個人ミーティング」というものがありました。
教授と学生のマンツーマンミーティングで、1週間に行った実験と結果をA4一枚にまとめてディスカッションをするのですが、これがマジで地獄でした。
まずA4一枚にびっしり書かないと「実験をさぼっていると」見なされ、
君、全然実験してないやないか!
とお説教タイムがはじまります。
バイオ系だと、1つのデータを出すのに3日~1週間と時間がかかることが多く、また待ち時間も長いので、3,4行しか報告することがない週もあったりします。
待ち時間の間は、論文紹介の準備や講義のレポートを書いたり、決してサボっているワケではないのですが、教授はそんなことおかまいなし。
僕が大学院生の頃は、それはもう頑張って実験したよ。それに比べて君は~
と最低30分、最長2時間ありがたいお話を聞く羽目になります。
ディスカッションに関しても、「院生なんだから、自分で考えるんや」と議論になっておらず、マジで無駄な時間でした(白目)
日によっては教授の雑談だけで30分過ぎることもあり、ラボメンバー全員がこの個人ミーティングを煙たがっていました。
2.増え続ける研究テーマ
個人ミーティングで提出するA4の紙に余白が多いと「実験していないサボり学生」とみなされます。そして、
君、暇そうやから、このテーマの実験もしてくれるか?
と研究テーマが増えていきます。
論文になりそうな有望なテーマなら良いですが、教授の思い付きやマイブームに合わせたテーマなので、まずデータが出ることはありません。
教授が喜ぶデータが出ないと「君のやり方が悪いんとちゃうんか?もう一回考えてやり直しや」と、不毛な実験を延々とやり続ける羽目に...。
中には似た論文が既に出ているテーマの時もあり「こいつホントに教授か?」と思う事もしばしば。
そして運悪く、A4用紙に書くことがあまり無いと、新たなテーマが追加され実験量が増えていくという負のスパイラルに陥っていくのです。
筆者は修士1年で最大5つの研究テーマを抱え、パンクしました(白目)
3.就活が終わると留年を勧めてくる
筆者がいた研究室では毎年、就活が終わった学生に教授が留年を進めるという謎の恒例行事がありました。
内定がきまり就活が終わったことを個人ミーティングで報告すると
そんなとこ就職しても未来ないで。もう一年研究室に残って研究したら、もっと 上の企業に入れるから留年したらどうや?
という、意味不明な勧誘をしてきます。
教授の思惑として、貴重な労働力を留めておきたいという事なのでしょうが、あまりにも見え透いていてあきれます(白目)
1回だけならまだしも、毎週個人ミーティングで留年を勧めてくるので、完全にパワハラ案件でしたね。
4.不毛な進捗報告会
個人ミーティングが不毛なら、研究室全体の進捗報告会も同じく不毛でした(白目)
毎週、担当の人がパワポを作って研究の進捗を発表するのですが、ほとんど実験で撮影した写真の展示会状態で、まともな議論はほとんど行われていませんでした。
最悪の場合、「この過去データを出したの誰か」という、なんの意味も無い追及が始まることもあります。そんな時は「なんのために毎週個人ミーティングやってんだよ」とラボメンバー全員が思っていたのは言うまでもありません。
教授の気に入らない結果だと、ラボメンバーの前で公開処刑にされるので、いかに炎上させないように工夫して発表するかが重要でした。
5.昼食は必ずと教授行かなければならない
この研究室の最大の悪習は、毎日教授とランチに行かなければならないことでした。
学生の間では「おつとめ」と呼ばれており、毎日13時頃になると教授が
昼飯行くやつおるか~
と声を掛けながら研究室を周り、みんなゾンビのようにその声に従っていました。
ランチの際は、ひたすら他の教授の悪口や批判や1人語りを聞かされるので、おつとめの際は全くご飯の味がしませんでした。(白目)
実験の都合などでおつとめをサボると
最近、お昼行ってないみたいやけど?
と個人ミーティングの時に詰められます。
筆者の同期の女の子は、このおつとめが苦痛過ぎて最終的にドロップアウトしました。
ブラック教授の迷言集
ブラック研究室の教授は、発言も意味不明です。この章ではブラック教授の名言ならぬ迷言集をいくつかご紹介します。
1.英語は気合で通じる
とある日の進捗報告会にて。発表者が留学生だったので英語で進行していたのですが、博士の先輩が英語で質問をしたんですが、上手く通じなかったんですね。
それで、何回か言い直すのですが中々伝わらず、言葉に詰まってしまいました。
そこで教授が言い放った強烈なセリフがこちら
〇〇君!英語っちゅうのはな、気合でどうにかなるもんなんや!難しい表現なんていらんねん!「アイ シンク ディス データ イズ ウローング!!(I think this data is wrong)」って覇気を込めて言えば、向こうも何が言いたいか理解すんねん!!英語は気合や!
さすが教授、言うことが違う!(真顔)
学問の最高権威である教授でも、英語は気合で乗り切っているようですね!(真顔)
勉強になります!(真顔)
2.制限酵素の配列は覚えるもの
ある日の個人ミーティング。教授は突然こんな質問をしてきました。
君、EcoRIの認識配列言うてみ
バイオ系なら分かると思うのですが、このEcoRIというのは制限酵素というもので実験でよく使います。
たくさん種類があって、それぞれ認識するDNAの配列が違うという特徴を持っています(詳しく知りたい人はこちら)
種類が多いので、普通はネットか試薬の雑誌で配列を確認して使う制限酵素を決めるのですが、なんと教授は配列を覚えろと言うのです(白目)
配列を答えられないと
君、全然勉強しとらんやないか。まったく、僕が大学院生の頃は全部覚えたものだよ
と説教がはじまるのです。
筆者はこの制限酵素クイズが1か月続き、1週間研究室を飛びました
3.僕はどんな時も研究を優先してきた
教授が事あるごとに話していたのは、自身がアメリカに留学していた時のエピソード。
交通事故で息子さんが重体で入院したそうなのですが、それでも自分は研究を優先したんだと。家庭を捨ててでも研究に打ち込んできたからこそ、教授にまで昇りつめたんだと。
だから、君ら学生も家族に何かあろうと、プライベートも犠牲にして研究に取り組めと。
ことある事にそうおっしゃっていました。
いや、見舞いに行けよ(真顔)
4.週末に実験しないやつは負け犬
とある進捗報告会の時。教授はおもむろに学生に向かってこう言いました。
君ら、1週間は何日あるんや?
ん?何を言い出すんだコイツ?
1週間は月から日の7日あるんや。A君は土日もしっかり研究室に来て実験をする。B君は土日には来ない。A君とB君どっちが早く研究が進むんや?
あー、そういう事ね(白目)
当然A君や。なぜなら時間を無駄にしてへんからな。一方B君はどうや?毎週2日、月8日、1年で96日も無駄にしてんねん。こんな奴が一流になれるワケないねん。言うたら負け犬や。
おう、激しいっすね(笑)
受験生も土日だからって勉強止めへんやろ。研究も同じで土日関係なく研究すんねん。特に学生の内は、土日も来て実験せなあかんねん。それができない奴は、いつまでたっても2流の負け犬や
このありがたいスピーチを先輩方が専攻長に暴露し、教授はこっぴどくお叱りを受けておりましたとさ。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
世の中にはこういう典型的なブラック研究室が存在するんですね。
筆者も1年は耐えられましたが、半年間の休学を経て退学、IT系のベンチャー企業に就職しました。元々アカデミック志望でしたが、今は全く未練はありません。
このサイトでは、OB・OGから集めた研究室の口コミを掲載しています。これから研究室配属という学生さんは是非このサイトを活用して、筆者のようなブラック研究室被害者にならないようにしてください。
有意義な学生生活を送れるよう、研究室選びは慎重に慎重を重ねて行いましょう!