生物系の就職はなぜ厳しいと言われるのか?その理由を元バイオ系院生が解説します

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「生物系は就職に不利」「バイオ系は就職難」

そんな噂を聞いたことはありませんか?

生物系の学生にとっては全く笑えない内容ですよね。

今回は元バイオ系院生である筆者の体験談を基に、「生物系、就職不利説」について解説していきたいと思います。

生物系の就職はマジで厳しい

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生物系の学生の皆様、残念ながら「生物系、就活不利説」は事実でございます(白目)

実際に就活が始まるまで実感が湧かないかもしれませんが、いざ就活が始まると化学系や機械系の学生と比べて、歴然の差があることを突きつけられます。

そもそも、化学系や機械系だと学科推薦などがたくさんあり、ESや1次面接を免除してもらうというチートが使えますが、生物系にそんな便利なものはほとんどありません。

他専攻の学生がスイスイ選考を突破し、なんなら早期内定で就活を終えているのを横目に、泥臭く就活を進めていくのはなかなか精神が持っていかれます。

同じ生物専攻の同期が

「やばい、ES全然通ってないし、5月以降の予定全然ない...」

と言って、今にも泣きそうな顔をしていたのを昨日のように覚えています(白目)

では、なぜに生物系の就職はこれほど不利なのでしょうか。次の章から、筆者の実体験も交えて、その理由を解き明かしていきたいと思います。

生物系の就職が厳しい理由

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1.生物系の求人が少ない

生物系の就活が不利である主な理由は、「生物の求人数がそもそも少ない」ことが挙げられます。

生物系だと消費財メーカーや食品系、製薬系にエントリーすることが多いと思いますが、こうした企業の求人に「生物枠」はごくわずかしかありません。

筆者が就活したときは、日本企業で1番売り上げを出している消費財メーカー(2019年当時)にエントリーしましたが、化学系や機械系の求人を100人とすると、20人くらいしか募集してしませんでした。

少ない求人枠を全国の生物系の学生が取り合うわけなので、必然的に就活は厳しい戦いになってしまうのです。

2.そもそも生物系だけの強みが少ない

生物系の学生の皆様。あなたの強みはなんですか?

「遺伝子解析ができる」「細胞を培養できる」「マウスの飼育ができる」「タンパク質を精製できる」

など、いろいろあると思います。が、果たしてこれらの技術は、”生物系だけ”の強みでしょうか?

化学系・薬学系の学生もタンパク質の精製はできるし、マウスや細胞を使って薬効試験したりと、生物の実験もやってますよね。

それに比べて、生物系の学生は化合物やタンパク質といった、利益に直結するモノを作れるでしょうか?NMRで構造解析できるでしょうか?

もっと言ってしまうと、生物の実験はキットで代用できるもの多く、それほど付加価値が無いのです。

企業も、化学系・薬学系の学生でも生物系の実験ができることを知っています。あえて、生物しかできない学生を採用する必要があるでしょうか?

3.研究が利益に直結しづらい

プログラミングや化合物の合成といった技術は、企業のシステム管理や新しい商品の開発に貢献でき、利益に直結する技術です。

そのため、多くの企業ではプログラミングといったお金になる技術を持っている学生を欲しがります。

しかし、生物の研究はなかなか利益につながらないものが多いです。生物工学などは、微生物や培養の技術が食品分野などで活かせますが、理学系の基礎研究寄りのテーマだと、就活ではあまりウケが良くありません。

筆者はマイクロRNAの研究を大学院でしていましたが、正直お金になるような研究ではありませんでした。前述の消費財メーカーの面接の際に

「この研究はどんな利益につながりますか?」

と聞かれた時は、「この研究はあくまで基礎研究で、利益になるかどうか分からない」とバカ正直に答えて落ちました(白目)

企業も利益UPを命題にしているので、やはり売り上げに貢献できる技術や知識を持っている方が就活では有利になります。

4.企業が求める人材とマッチしずらい

生物は自分の専門分野を他の分野に応用しずらい学問です。

今まで植物の研究をしていて、明日からすぐに神経の研究をバリバリやるのはほぼ不可能です。実験手法など、ある程度共通している部分はあるかもしれませんが、勉強し直さないないといけません。

同じ生物系の求人でも、「遺伝子ワークに精通している人」「タンパク精製の経験がある人」「iPS細胞の培養ができる人」のように、求められる技術や経験が異なっています。

そのため、企業が求める人材と自分の技術や知識がマッチしずらく、ただでさえ少ない生物系の求人からさらに絞り込まないといけないので、一層就活がハードになります。

自分の専門分野をそのまま活かせるドンピシャな企業を見つけらればいいですが、そう簡単に見つからないのが現実です。

生物系の学生が就活を成功させるためにするべきこと

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ここまで、生物系が就職に不利である理由を、かなり残酷に紹介してきました。

「最初から、生物系は就活負け組ってことでしょ」

と、思うかもしれませんが、諦めるのはまだ早いです。

生物系でもキチンと対策すれば、就活を成功させる事は十分可能です。

そこで、生物系の就活生へのアドバイスを3つ紹介します!

アピールできる武器を増やす

生物の知識と経験だけで、他の理系学生と戦えないのなら、自分でアピールできる武器を増やしてしまえばいいのです。

英語が得意なら勉強してTOEIC900点台を取るのもいいし、簿記といった履歴書に書けるような資格をとるのもありです。

また、夏休みなどの大学が休みの間にいろんな業種のインターンに参加し、経験値を増やすこともできます。

とにかく、時間のある内に少しでも付加価値を付けておくことが重要です。実際に役に立つかどうかは別として、何もしないのに比べて印象が大分違います。

努力する姿勢も企業は見ているので、取れる資格はさっさと取っておきましょう!

マーケティング思考を身に付ける

学生に共通して欠けているのが、「どうすれば利益を出せるのか=お金を稼げるのか」という考え方です。

会社に入れば必ず利益を出すことを求められます。メーカーを例に挙げると

・消費者はどんな商品を求めているのか

・商品開発にどんな研究が必要なのか、どれくらい費用がかかるのか

・開発した商品をどのように宣伝・PRすればいいのか

ざっくり、この一連の流れを踏んで始めて利益につながります。

このように、モノやサービスをどのように広め、利益を上げるかという”マーケティング思考”が企業では求められます。このマーケティング思考を学生の内に身に付けておくだけで、他の就活生と大きな差を作ることをできます。

マーケティング思考を身に付ければ、面接の時に効果的に自分をどう売り込む戦略設計にも応用できます。

「いきなりマーケティングなんて言われても分からん!」

という人は「ドリルを売るには穴を売れ」というマーケティングの本を一度読んでみてください。

経営危機のイタリアンレストランを復活させるストーリー形式で、初心者でも分かりやすくマーケティングとは何かを説明してくれています。

この1冊を読むだけで、「どうすればモノが売れるのか」を理解できるので、これから社会人になる学生に非常にオススメです。 Amazonで見る 楽天で見る

自己分析して何が適職なのかを見直す

生物を勉強したから、生物に関係のある職に就かないといけない訳ではありません。

生物を学ぶ過程で身に付けた、論理的思考能力やプレゼン能力は研究職以外でも発揮することが可能です。

英語が得意で論理的思考に長けているのなら、外資系のコンサルという選択肢も視野に入れてもいいはずです。

筆者の場合、ゴリゴリの生物屋さんでしたが、ブログやYoutubeをやっていてWebに興味があったので、生物と全く関係ないITベンチャーに最終的に就職しました。

理系に進んだから、理系の職しかエントリーしないというのは非常にもったいないです。自分の能力が最も活かせる職業は何か、自己分析に時間をかけて考えてみましょう。

大学生のシルエット

自己分析が大事なのは分かったけど、具体的に何をすればいいの?

という人はまず、スカウト型就活サイトOfferBoxが提供する「Analyze U+」を使って、アンケート感覚で自己分析を始めてみることをおすすめします。

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また、診断結果を基に、社会に出た時の活かせる強みや就活に役立つアドバイスをもらえるので、職業選びや自己PRにも活用できます。

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まとめ

生物系が就職に不利というのは、紛れもない事実です。

しかし、自分が最も活躍できる場は何かを考え、戦略をしっかり練れば就活を成功させることは十分可能です。

なので、生物系だからといって落ち込まず、自己分析をしっかりやって就活に臨みましょう!

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