合格直結の院試生物の勉強法からオススメの参考書まで元阪大院生がまとめて紹介!

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大学受験は参考書や問題集が数多く出版されているので、勉強法に困ることはあまりないですよね。

しかし、院試ともなると問題集も少なく、「どうやって勉強すればいいか分からない」という受験生もいるのではないでしょうか。

今回は院試受験生に向けて、大阪大学大学院で生物を専攻していた筆者が、院試生物の勉強法やオススメの参考書などを紹介したいと思います!

院試の合格ボーダーラインは何点?

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そもそも院試で合格するためには、何点くらい取ればいいかご存知ですか?

その年の難易度によって多少前後することはありますが、大体60~70点取れれば合格できると言われています。

院試は大学受験と比べても難易度が高く、そもそも100点を取れないように作られていることが多いです。

そのため、難しい応用問題に多くの時間を割かず、確実に点数を取れる問題で60点前後を取ることが必要となります。

基礎を疎かにして点数を稼ぐべき問題を解けないと、60点まで到達できずに不合格になってしまう可能性があるので、院試勉強の際は基礎固めをしっかりしておくことが重要です。

特に生物では、単語の穴埋め問題は完答必須です。なので、院試勉強の際は、知識量を増やすのに加えて、語句の意味も文章で説明できるようにするとよいでしょう。

院試生物の勉強法3ステップ

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それでは早速、筆者が院試を受けた時の勉強法を3つのステップに分けてご紹介します!

ステップ1:分量の少ないテキストで基礎固め

院試勉強を始めて最初の1か月は基礎固めを徹底して行います。使うテキストも分量の少ない基本的なものを使い、語句を完璧に暗記して意味を説明できるレベルまで仕上げます。

基礎は十分出来上がっていると思っていても、意外と大事な語句を忘れていたり、自分の言葉で意味を説明できないことがあります。

なので、これまでの成績がいくら良くても、最初は基礎固めをしっかりする事が重要です。

暗記系は自分で問題を作って解いてみると、インプットとアウトプットを同時に行えるので効果的です。試験前にも作った問題を見返して復習もできるのでオススメです。

ステップ2:分厚い専門書で知識を網羅的に叩き込む

基礎固めを行った後は、分厚い専門書を読み込んで知識をより深める作業に移ります。

分厚い専門書でも、基礎固めの時点で既に理解している部分は読み飛すことができるので、スムーズに勉強できるかと思います。

逆に基礎を疎かにすると、分厚い専門書を一から読まないといけないので精神的にも時間的にも余裕が無くなってしまいます。

このステップは2か月程度かけ、テキストは3週くらい読み込みましょう。中々シンドイとは思いますが、大学院入学後も身に付けた知識は活きてきますので、頑張って乗り切りましょう。

ステップ3:受験する大学院の過去問を解きまくる

試験一か月前になったら受験する大学の過去問を解きまくって、知識をアウトプットする練習を行います。

過去問は大学のHPからダウンロード可能です。もし、数年分しかダウンロードできない場合は、研究室に過去問が保管されていることもあるので貸し出してもらうのも有りです。

また、受験する大学以外の過去問も解いておくと、いろんな出題パターンに慣れてアウトプット能力が高まると同時に、気分のリフレッシュになるのでオススメです。

分子生物学でオススメの参考書

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院試勉強のステップの次は、勉強に役立つオススメ参考書をご紹介します。院試生物は大きく分子生物学と生化学に分けられるので、まずこの章では分子生物学のオススメ参考書を紹介します!

Essential 細胞生物学

分子生物学の基礎でオススメのテキストは王道の「Essential 細胞生物学」(以下、エッセンシャル)。多くの大学で教科書として使われているのではないでしょうか。

オススメのポイントとしては、分子生物学の広い範囲をこの1冊で網羅されている点。挿絵や図解も多く文字も読みやすいサイズなので、基礎固めをするのに最適なテキストだと思います。

付属のCDにはテキスト内で使われている挿絵や図が入っており、勉強ノートを作る際に印刷して貼り付けることも可能です。

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The Cell 細胞の分子生物学

分子生物学の知識を深めるのにオススメな専門書は、通称”Cell”と呼ばれている「The Cell 細胞の分子生物学」。そのページ数はなんと約1600ページ!エッセンシャルのおよそ2倍の分厚さです。巷では「院試でCellを勉強するのは最低限のマナー」とも言われています。

エッセンシャルは、このCellから基礎の大事な部分を抜き取ったテキストなので、エッセンシャルをしっかり勉強しておけば、それほど抵抗なくCellも勉強できるかと思います。

ただ、内容はとても専門的で細かく、量も多いので気合を入れて取り組む必要はあるでしょう。その代わり、2,3週もすれば相当の知識が付き、大体の問題は解けるようになります。

博士号を取り、アカデミックの道に進むなら一冊買っても損じゃないくらい、将来の投資になる優良テキストです。

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生化学でオススメの参考書

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分子生物学のオススメ参考書に続いて、生化学のオススメ参考書をご紹介します!

ヴォート基礎生物学

エッセンシャルと並んで基礎テキストとしてオススメなのが、「ヴォート基礎生物学」(以下、ヴォート)。

エッセンシャルでは生体内の化学反応や代謝、熱力学の項目が弱いのに対し、ヴォートではこれらの項目が詳しく解説されています。

構造式や化学反応が図解され、各反応段階で何が行われているかが詳しく解説してあるので、生化学の基礎を学ぶにはうってつけです。

章末には練習問題と解答もついているので、インプットとアウトプットをこの一冊で完結できるのでオススメです。

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ストライヤー生化学

生化学でより知識を深めるのにオススメのテキストは「ストライヤー生化学」。こちらもページ数が1000を超えている大型専門書。

他の専門書は、熱力学や生理学的な内容を既に学習済みという体で書かれており、読みづらさがあるものが多いですが、ストライヤーはその点をしっかり解説してあるので勉強しやすいのがオススメなポイント。

代謝などの章では、熱力学の知識を十分に解説したあとに本文に入るので、熱力学を別の教科書で勉強しておく必要もなく、ストライヤー一冊で十分な知識が身に付けられます。

Cell同様、2,3週もすれば相当の知識を得られるはずです。

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【難易度別】生物の院試勉強に役立つ過去問

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受験する大学の過去問だけだと、アウトプットが足りないので他大学院の過去問も解くとより効果的に勉強できます。そこで、アウトプットに役立つ大学院の過去問を、筆者の独断と偏見で難易度別にご紹介したいと思います!

基礎:東北大学 生命科学研究科

語句の確認や実験考察系を解く練習にオススメなのが、東北大学 生命科学研究科の問題。

問題の文章量も比較的少なく、基礎的な知識のアウトプットに最適です。分からなかった部分があっても、エッセンシャルを見返せば大体答えが見つかり、答え合わせも可能です。

研究科のHPはこちら

ちょいムズ:大阪大学  理学研究科 生物科学専攻

少し難易度を上げてオススメは大阪大学 理学研究科 生物科学専攻の入試問題。ここ数年は大問1が丸ごと語句の穴埋めなので、語句の確認にはもってこいです。

実験考察問題はやや骨の折れる問題が多く、知識量も必要なので非常に勉強になります。また、大阪大学の過去問は公式の解答もダウンロードできるので、テキストを見て答え合わせをする手間も必要ありません。

研究科のHPはこちら

激ムズ:京都大学 生命科学研究科

筆者が特に難しいと感じたのが京都大学 生命科学研究科の入試問題。

問題文が長いのと、クリスパーなどの最先端の研究をテーマにした問題もあり、論文を読んで話題の研究を知ると同時に、図の読み取り方や解釈の仕方なども練習しておく必要があります。

安易な気持ちで手を出すと心が折れる可能性があるので、時間的に余裕があり、腕試ししたい時に解いてみるとよいでしょう。

研究科のHPはこちら

院試生物対策の問題集を作りました

院試勉強を始めると分かるのですが、院試生物の問題集って意外と無いんですよね。

そのため、教科書の章末問題か院試の過去問を使って知識をアウトプットするしかありません。

しかし、教科書の章末問題は院試対策には向いていませんし、いきなり過去問に手を付けると間違いなく挫折します(白目)

そこで筆者は、院試勉強の傍ら、院試生物対策のオリジナル問題集を自分で作ってしまいました!

大学院受験 細胞生物学問題集のサンプル画像1 大学院受験 細胞生物学問題集のサンプル画像1

このように、エッセンシャルとセルの内容を基に細胞生物学の問題を作成しました。

内容はタンパク質から細胞周期まで網羅し、簡単な穴埋め問題から、院試に出るような長文の記述問題まで掲載。

院試生物に必要な知識が完璧に身に付くよう、3か月かけて作り込みました。

せっかく作った問題集なので、是非これから院試受験する皆さんにも、院試勉強に使って頂けたらと思います。

解答も用意しているので、院試勉強のお供にこの問題集を使ってみてはいかがでしょうか?

オリジナル問題集で勉強してみる

生物の英語対策はEssentialの英語版を使う

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大学によっては生物系の英文作成や読解があるところもあると思います。そこで最後に、生物の英語勉強法についてご紹介します。

生物の英単語や表現方法を勉強する際は、エッセンシャルの原著(英語版)を使う方法がオススメです。

一番後ろの単語集と説明文を勉強するだけでも効果的ですが、本文中で頻繁に出てくる表現や文章を暗記すれば、英訳問題の対策にもなります。

論文でも英語の勉強にはなりますが、エッセンシャルの英語版の方が基本的な表現や生物の単語を網羅的に勉強できるのでオススメです。

まとめ

今回は筆者が院試勉強をした時の勉強法をご紹介しました。

生物はとにかく知識量が必要なので、基礎固めは時間をかけて行いましょう。

研究室に入って研究を始めると、まとまった時間を座学に割くのが難しくなります。なので、院試受験を絶好の機会と考え、しっかり勉強しておきましょう!

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