研究室選びは慎重に!自分に合った研究室の選び方11選を徹底解説!
理系学生の登竜門「研究室配属」
大学によっては大学3年生の秋には配属先の研究室を決めて、卒業研究の準備を始めるところもあるでしょう。
しかし、
いきなり研究室を選べと言われても、何を基準に選べばいいか分からない
という学生さんも多いのではないでしょうか?
筆者もかつて研究室選びに悩み、悩み抜いて選んだ研究室がブラックだったという苦い思い出があります(白目)
今回はそんな筆者の経験も踏まえて、自分に合った研究室の選び方をご紹介します!
🕐2020年4月10日
目次
研究室選びで意識すべきこと
研究室を選ぶ際は「研究室に対し自分は何を求めているか」を意識することが重要です。
・博士号を取って研究者の道に進みたい
・就活を有利に進めたい、楽に内定を取りたい
・できるだけ拘束されず、楽に卒論を書きたい
このように、研究室に求めるものを明確にしておくと、自然と研究室を選ぶ基準が固まってきます。
研究室なんてどこも一緒でしょー!
といって、適当に研究室を選ぶと間違いなく苦しい研究室生活を送ることになります。
運悪くブラック研究室を引いてしまったら、心を病んで大学に来れなくなるなんてことも...。
短くても1年、院に進学するなら最長6年、同じ研究室で過ごすわけなので、研究室選びは慎重かつ丁寧に行いましょう。
自分に合った研究室の選び方11選
人によって研究室選び失敗の基準は異なってきますが、選び方の基準は大体決まっています。
今回は主な研究室の選び方を11個紹介します。自分が求める理想の研究室の入るには、どの選び方を特に重視すればいいかを考えながら読み進めてみてください。
興味の持てそうな研究テーマがあるか
やりたい研究とか特に無いし、研究テーマは別になんでもいいわ
研究室に入る前はこう思っていても、実際に研究を始めてみると、興味の持てない研究テーマを扱うことに苦痛を感じるようになります。
研究は実験だけでなく、論文などを読んで先行研究の調査も行わなければならず、時間と労力がかかります。
最初の数か月は興味が無くても義務感でどうにかなるかもしれませんが、半年もするとやる気が無くなり、研究室に行きたくなくなってしまいます。
なので、特にやりたい研究が無くても、HPを見たり研究室訪問をして、少しでも興味が持てそうな研究をしている研究室を探してみましょう。
教授の人柄と合うか
研究分野と同じくらい研究室選びで大事なのが、教授との相性。
いくら研究テーマが面白くても、教授の性格や指導方針が合っていないと、教授とのミーティングやディスカッションが嫌でたまらなくなってきます。
中には教授のキツイ言葉遣いが原因で研究室に来れなくなってしまう学生さんもいたりします。なので、研究室に入る前に、研究室見学などで教授と話す機会を設け、どんな人柄なのか知っておくことが重要です。
会社では上司を選べませんが、教授という上司を選べるのは学生の特権です。実りある学生生活を送るためにも、一番自分に合う指導教員は誰なのか見極めましょう。
指導体制はしっかりしているか
教授によって研究室の指導体制は変わってきます。指導体制がしっかりしている研究室だと、教授をはじめ、博士課程の先輩が丁寧に実験を教えてくれたりアドバイスをくれたりします。
そのため、ちゃんと研究室に来ていれば卒論レベルのデータは順調に揃うので、卒論提出間際に焦るということはまずありません。
しかし、指導体制がしっかりしていない研究室だと、研究テーマだけ与えられて
あとは自分でなんとかしろ
なんてところもあります。
こういったケースは、教授が多忙で研究室に居なかったり、指導に興味のない教授にありがちです。
研究室に質問できる先輩がいればいいですが、そうでない場合、いつまで経ってもデータが出せないという悲惨なことになるので、指導体制がしっかりしているかも重要なポイントです。
就活をしやすい環境か
アカデミックの道に進まない限り、就活は必須です。しかし、教授の中には就活反対の人もいたりして、就活中でも毎日研究室に来たり、データを出し続けないといけないところもあります。
こういった研究室だと、就活に十分な時間を割くことができず、納得する内定を取りにくくなってしまいます。
さらに、ブラック研究室だと、わざと就活を失敗させて大学院に進学させようとしたり、留年させて研究室に残させようとするところもあります。
就活を頑張りたいという学生さんは、教授が就活に対する理解があるかどうか、就活で研究室を休むことができるかどうか、必ず確認しておきましょう。
理論系か実験系か
研究は大きく理論系と実験系に大別されます。
理論系の研究はプログラミングやシミュレーションをするのがメインで、一般的に”ドライ”と呼ばれます。
一方、実験系は化合物を合成したり、実験マウスの解剖や遺伝子の解析をしたり、実験するのがメインで、一般的に”ウェット”と呼ばれています。
ウェットの方は毎日のように実験をしないといけないので、実験があまり好きでない人にはオススメしません。研究室選びの際は、自分がドライとウェットのどちらが向いているかを考えながら、選ぶようにしましょう。
博士課程の先輩はいるか
研究室に入ると分かりますが、博士課程の先輩の知識と経験はメチャクチャ頼りになります。
論文で分からない部分があったり、実験が上手く行かない時に、博士課程の先輩に聞けばだいたい解決します。
教授や教員に聞くと怒られたり、自分で調べろと言われてしまうような些細な事でも、同じ学生である先輩なら質問もしやすいです。
また、いろいろなアドバイスもくれたりするので、研究室に博士課程の先輩がいるのは大きなポイントです。
定期的に論文を出せているか
大学院に進学し博士号を取ろうと思っている学生さんに気にして欲しいのが、研究室の業績。
研究室のHPには必ず、その研究室の業績ページがあります。多くの人は論文が掲載された雑誌名を気にするかもしれませんが、その論文が出された年もチェックしてください。
毎年のように論文を出しているなら良いですが、スパンが長い研究室は要注意です。
研究に行き詰っている研究室だと、3,4年置きにしか論文が出せない事が多く、せっかく博士課程まで進んでも、論文が出せずに留年してしまう博士課程のひともいます。
学部卒や修士卒の学生はあまり気にしなくてもいいですが、博士課程まで進学することを考えているのなら、定期的に論文を出せている研究室を選ぶことがポイントです。
研究資金は豊富か
研究をするにはお金が必要です。せっかく研究室に入って技術を磨こうと思っても、研究費が不足している研究室だと、思うように研究をさせてもらえず、スキルアップできないという事もしばしばあります。
歴史が長く学生人数の多い研室なら心配無用ですが、設立間もない研究室やいまいち研究成果を出せていない研究室は研究費の獲得が難しく、資金繰りに四苦八苦しているところが多い印象です。
研究費の獲得状況はネットで教員名を検索すれば見られるので、一度確認しておくとよいでしょう。
研究室のイベントは多すぎないか
研究室にも忘年会や新入生歓迎会といったイベントがあります。イベントも適度な頻度なら楽しめますが、多すぎるのも問題です。
研究室によっては、
・春に歓迎会
・毎月末に飲み会(食事は学生が準備)
・教授の誕生日会
・夏合宿と旅行
・秋に遠足
・忘年会
・追いコン
・OB・OG会
というように、イベントの数が以上に多いところもあります。
当然、これらのイベントにかかるお金は学生負担のため、アルバイトをしていないとかなり苦しい経済状況を強いられることになります。
研究室HPを見ると、イベント時の楽しそうな写真を掲載しているところが多いですが、研究室選びの際は、その裏に隠された学生の苦労を見抜く必要があります。
研究室ホームページは更新されているか
研究室のHPは、研究室と外部をつなぐ貴重な窓口で、学生も研究室を選び際は必ずと言っていいほどHPをチェックします。
そのため、学生を積極的に募集している研究室は、月単位でHPを更新して研究室の魅力をアピールし、優秀な学生が入ってくれるよう努力をしています。
しかし、HPの最終更新が何年も前だったりすると、あまり学生の事を考えておらず、教授のワンマン運転な研究室である可能性が高いです。
なので、研究室選びの際は、HPの更新頻度が高いところを選ぶ方が良いでしょう。
コアタイムなどの研究室ルールは明記されているか
研究室には「何時~何時まではコアタイム」、「毎週何曜日はミーティング」といった独自のルールが存在します。
このような研究室ルールがHP上に明記されていないと、教授の気分次第でルールかコロコロ変わる、もしくは学生が来なくなるような悪ルールが存在するブラック研究室である可能性があります。
筆者の実体験だと、
・毎日教授とランチ
・毎週教授と1on1ミーティング(30分~1時間)
・土曜・祝日は研究室に来る
・学生だけで飲み会はNG
といったHP上に無いルールがたくさんあり驚愕しました。
なので、ルールが明記されていない場合は、教授に聞く+研究室の先輩に本当かどうかを確かめるということを心がけて下さい。でないと後々後悔することになります。
このサイト、OpenLabの研究室口コミも是非参考に
ここまで研究室の選び方をご紹介してきましたが、研究室訪問や学科内の評判だけでは判断できないこともあるでしょう。
特にブラック研究室だと、見学時に嘘の情報を教えて、研究室に引きずり込もうとするところもあります。
そこで、研究室選びの際は是非、今ご覧になっているこの「OpenLab」を活用してはいかがでしょうか?
このサイトは、研究室OB・OGから口コミを集めて掲載している研究室の口コミサイト。
このように、研究室の評判が一目で分かるチャートのほかに
- ・コアタイム
- ・研究室OB・OGの進路
- ・研究室内の雑用
- ・口コミ
など、研究室選びの参考になるような情報を掲載しています。
特に、OB・OGの口コミは、リアルな研究室の実態や、内部事情などを知れる貴重な情報になっています。
これから、研究室配属を控えた学生さんには是非、このサイトの口コミも参考に研究室選びをして頂けたらと思います!
まとめ
研究室選びでは今回紹介したように、押さえておきたいポイントがたくさんあります。
正直、すべての条件を満たす研究室は少ないと思うので、自分の中でゆずれないポイントはしっかり押さえ、ある程度妥協する事も必要になってくるでしょう。
研究室選びは、学生生活だけでなくその後の人生にも影響してくる大事なことなので、「既に行く研究室は決めた」という人も、この記事を参考にもう一度考えてみてはいかがでしょうか。意外と見落としていることがあるかもしれませんよ?